銀河旋律上演に当たって、演出と製作で対談を行いました。
今回演出を務める有賀さんから、
「HPにプロデューサーと演出の対談を載せたらおもしろいんじゃないか。僕はそういうものがあったら読みたい。」
という提案があり、出来ることがあれば一つでも新しいことをやってみようという事になりました。
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(4月19日 昼と夜の稽古時間の間で。 場所:稽古場)
加古:
そもそも僕と有賀さんは付き合いが長いわけじゃないんですよね。
最初は去年の5月のカラマルさんの公演で有賀さんが舞台監督、僕が照明として出会ったのがはじめましてですよね。
有賀:
そのあとあんまり会っていないですよね。
加古:
つい最近3月……その「3月」というワードがおかしいワードではあるんですけど(笑)
そもそもこの企画自体の起こりが実は2月下旬なんです。
僕もあと2ヶ月あるけど、できるんじゃないかと。
有賀:
ムチャだよね(笑)
加古:
普通に考えたらおかしいですよね(笑)。 私の舞台公演は準備期間短めみたいです。
それで、せっかくやるんだったら少しピリッとするような環境でやりたいなと。
その成果をお客さんに見てもらいたい、楽しんでもらいたいと。
その話を有賀さんにしたら、乗ってやろうじゃないかという話になった。
有賀:
そう考えるとこの間のことですね。よくキャストも集まったし、台本の申請も通ったし、出来るものなんですね。
加古:
特殊なケースだとは思います。
有賀:
「4月にやろうと思ってるんだけど」と言われて「来月だよ!?」という気持ちはもちろんありました。
最初は手伝いにいくのかなっておもっていたら、ありがたいことに演出をやらせてもらえるという話になっていった。
まさか演出やらせてもらえるとは思っていませんでしたよ。
加古:
フィーリングですよね。有賀さんに頼もうと思ったのは。
それこそ有賀さんの3月にやっていた、劇団えーてぃーふぃーるどさんの演目「蜜柑星人」の楽日バラシの後。
有賀さんが「やるとしたら次演出またやりたいと思う」という風に仰った。
それとその作品に有賀さんが出演もしていたわけですけれど
幕が開いて、日々進むにつれて俳優という存在になっていく様子を見て、
この人はこの最終日の状態を、初日幕開きにもっていくことが出来る人だな、と思ったわけです。
有賀:
今回銀河旋律を選択していますが、
そこにはどんな理由があるんですか?
加古:
一番はですね、俳優の卵たちがここで一皮むけて、本当の俳優になると思ったときに
一部教材のような要素がありつつも、でも上演するのにきちんとしたエネルギーがないとできないもの、
と考えたときに、そういう作品というのは僕が絶対にやらないチョイスなんですよね。
ということを劇団SUNSの仲間内に相談したら、いくつか候補の台本を出すのに協力してくれたんです。
そのなかに銀河旋律があった。
初めて読んでみて、とても面白かったんですよね。
自分で上演するときにはまっすぐしたものはやらないのですが、
見たり読んだりするのは大好きなんですね。
その感覚を素直に認めて、これがいいんじゃないか、という風になりました。
……実際銀河旋律を読んで有賀さんはどんな感覚をうけました?
有賀:
僕も自分で脚本を書くときは銀河旋律のような話は書かないし、やらない(笑)。
でも僕も好きですね、かわいくて、まっすぐしたお話。
こういう機会でこれをやらせてもらえる、というのはとてもありがたいですね。
とても完成している本なので、これは演出しがいがあるなと思いました。
キャラメルボックスさんというとても有名な劇団で、きっといろんな人たちが上演しているものを、
僕が演出したときにどうなるなるのかなってところはありますね。
加古:
なるほど。
有賀:
いろんなことを考えたときに、「演出できるんだろうか」と思いました。
僕がえーてぃーふぃーるどで演出するときはどうしてもアングラっぽくなってしまうのですが、
でもそういった演出にしてしまうと、この作品の持ち味がなくなってしまうなと。
これは僕もある意味挑戦だなと。
如何にわかりやすく、如何に面白くできるか、今奮闘しているところです。
加古:
僕は成井さんご自身が演出した銀河旋律は不幸なことに拝見していないんです。
ただ僕が見受ける限り、今有賀さんが作ろうとしているものはやっぱり成井さんが演出したものとは
違うものになっていると思いますから、そこをね。お客さんに楽しんでほしいですよね。
有賀:
お客さんにボディーブローをかますような、「僕らしさ」というものも出せていけたらなと。
誰も見たことのない、有賀太朗の「銀河旋律」を作れたら、企画としても成功なんじゃないかな。
キャストさんは僕の演出に苦労しているみたいですけど(笑)。
加古:
でもそれは本来どこでもつきものだから。
ぜひともみんなにがんばってほしいですね。
このあいだ俳優陣とご飯に行く機会があって、みんなに質問してみたんです。
「古典について、どれだけ調べてみた?」って。
それぞれ調べているみたいで、中にはかなり深度の深い調べ方をしている子もいました。
僕が気になったのは、この銀河旋律において「柿本」という役だけ配役表において漢字なんです。
「はるか」だけ、平仮名なんです。
そこにかなりひっかかってしまって。
「春山はるか」「サクラダヨシノ」がこのストーリーの中で二大ヒロインなんです。
この二人が同じように「春」にまつわる名前だったりとか。
一方がひらがな、一方がカタカナ、この違いはなんだろうと。
もちろん成井さんが執筆されたときにどこまで考えていたかわからないですけど。
いや、作家さんなんて、演出家も同じだと思うんですけど、自分の作品の中に
「誰もわからなくても、僕はここにこだわりがあるんだ」ってものをいれてくるじゃないですか(笑)。
有賀:
いれてきますね(笑)。
わけわかんなかったりするんですけどね。
加古:
普通に読んでるだけだと気づかないんですけどね。
作家さん本人が話題に上げてくれてようやく気付くようなこと、というのが。
それがここにちょっと入っているような気がして。
有賀:
成井豊さんの譲れなかったところなんじゃないですかね、
この「漢字」「ひらがな」「カタカナ」っていうところは。
加古:
もっと掘り下げていけば、名前だけでもいろいろ考えるところはあるんですけどね。
あとは作品を見てもらって、みなさんにも考えていただければ。
有賀:
そうですね。
加古:
そういえば、有賀さん、この「銀河旋律」の始まりって知ってます?
Web上にも載っているんですけど。
有賀:
いえ。
加古:
キャラメルボックスさんが、次の公演も決まっていたわけですよ。
今回みたいに2ヶ月前とかじゃなくて(笑)。
すでに会場も押さえられていて、ありがたいことにお客さんから高評価を得ていて、収まりきらなくなりそうだと。
そんなときに、今までどおりの90分、120分の上演時間でやってしまうとたくさんのお客様に観てもらえない。
じゃあ45分ならどうだ、それだったら1日に3回・4回の公演ができる。より多くのお客様に観てもらえるんじゃないか。
という流れで、キャラメルボックスさんのハーフタイムシアターというシリーズができたみたいです。
(編集注:後ほど確認したところ、どこにあった記述であったかわかりませんでした。)
有賀:
へぇー。そうなんだ。
加古:
これは台本を読んでいただければわかると思うんですけど、台本上に45分というこだわりがいっぱいあるんですよ。
主人公「柿本」が唯一タイムトラベルするシーンもあるんですが、やはりそこも「45分」。
このハーフタイムシアターも「45分」。
その当時の成井さんが「45分」という時間にどれだけ思いをこめたか、
公演そのものにどれだけ心を砕いて作ったのか、非常に垣間見える作品だなと。
熱い本だな、と思いながら僕は読んでいました。
だってそんなにこだわる必要ないじゃないですか。
有賀:
そうなんですよね。
別に60分でも、って。
加古:
もしかしたら苦肉の策で生まれたことではあるのかもしれないけれど、
それをポジティブに捕らえてこだわり続けたって言う。
すごく熱のこもった作品なのではないかと感じたんですよ。
有賀:
すごく読み込んでいる(笑)。
今回のキャストは9名、ですかね。
加古:
我こそはというキャストが(笑)
有賀:
「我こそはこの公演にふさわしい」というキャストが9名ですか(笑)
加古:
でも彼らもこんな苦しい思いをするとは思っていなかったと思うんですよね。
有賀:
そうなんだよね。
みんな泣きそうな顔してたりしますもん。
9分の8は加古さんが声をかけてくれた役者さんですもんね。
どういう集まりというか、関係というか。
加古:
基本的には縁があって僕としっかり会話をしたことがある人、です。
「あなたはこれからどうしていきたいの?」とか。
若干違いがあるとすると……
まず皮切りに藍原君ですけど。
藍原くんは今の話の中からは外れる。
なんでかっていうと、藍原くんは去年の8月にBorderlineという団体の主宰さんとの話の中で
作品を作りたいんだけど作れないんだ、という話があって、
「やりたいと言ったら風鈴堂で手伝うから、やるかやらないか決めて」と。
それで「さよならをあげる」という作品をやったんです。
そのときに藍原君と知り合ったんです。
有賀:
そうなんだ。
加古:
そのとき、Borderlineの主宰さんに向けて
「音響さんだけは自分用意しなさい。」と言って、藍原君が連れられてきた。
もちろん音響さんといっても、「音響」という役割を与えられた一人物であって、
彼は「音響さん」ではなくて。
この企画が起きたときに彼のことを思い出し、今後も音響としてやっていきたいのであれば今回の銀河旋律で音響という役割を渡そうとしたんです。
そしたら彼が「出たいです」と言ったんです。
有賀:
なるほど。
加古:
こっちは困った話ですよね(笑)。
あれ? 違うぞ? って。
でも僕は、やりたいと思っているというのはとても大事だと思うんです。
そうなのであればこっちの事情がどうであれ、本人がやりたいと思っていることを尊重したい、と思って。
ありがたいことに音響さんは有賀さんでお願いした方がOKだったので、
こっちの問題もクリアになり「じゃあ出ようか」っていう感じに。
有賀:
彼が自分で出たいです、って言ったんですね。
加古:
そこが8人のなかで唯一系譜が違うかな。
有賀:
さっきの稽古でいろいろと苦労はしてましたね(笑)
でも彼にはいい課題なのかな。
だからぜひとも「サルマル」という役をモノにしてほしいですね。
加古:
そうですね。
じゃあサルマル出ましたんで、ヤマノウエとかいきますか。
宮さん。
僕が普段お金を稼いでいる別の仕事でたまたま一緒になったときに話をして。
声優の学校に通っているんですと。
今まで岩手でサラリーマンをしていたのに、一念発起して出てきたんだと。
熱い男なんですよ!
有賀:
え?! そうなの?!
あ! そうなんだ!!
加古:
しかも御年29ですよ。
27とか28のときに辞めて東京に出てきたの。
有賀:
すっげぇ!すごくね!?へぇー!!
加古:
それを聞いて、機会が必要ならやりますか?って聞いて、
前回やったのが風鈴堂プロデュースの「夜想」という作品。
そのときにとても素敵だなあと思って、今回もやりますか?って聞いたら
「やります」って言うから、「じゃあやれ!」って(笑)
有賀:
はぁー・・・熱い人なんですね。
いや、僕ね、宮さんて佇まいとか、お芝居の雰囲気とかで、結構クールめの人なのかなって。
加古:
でも稽古の様子とか、台本の読み方とかって、実際彼すごいじゃないですか。
台本をしっかり読み込んでいる分、「ここはこうしたほうがいい」っていう話ができる。
有賀:
情熱は確かにね。
加古:
そんな男たちがサルマル、ヤマノウエ。
じゃぁ最後の男子いきますか。
柿本役の飯川君。
飯川君は、また別の仕事をしていたときに利用者としてきたんです。
僕(加古)のことなんか調べりゃいくらでも出てくるんですけど(笑)
彼が劇場の演目で演技をしているのを観ていたりして。
その中で「ご飯でも行こうよ」ってタイミングがあったんです。
僕、彼の演技の感じが好きなんです。
それで2年位前に風鈴堂でやった「甕の中」っていう作品に捕まえて出てもらったんです。(笑)
それがすごくよくて。
彼も紆余曲折あって離れてた時期もあるんですけど、一昨年の「想念 桜の森の満開の下」にも出てもらって、それで今回も。
有賀:
彼はすごい安定感のある芝居だなあって。
なんか安心感のある芝居だなって思いながら日々稽古しています。
どうやって仕上げてくるのかなって楽しみ感がありますね。
加古:
見ててわかると思いますけど、彼、アレでまだ遠慮してますからね。
あの人トップギアかかるとヤバイですよ。
まだ周り見てギアいれてますから(笑)。
有賀:
楽しみにしています(笑)。
それで、僕が今回稽古してて大事だなって思うのが女子高生3人。
加古:
タケチ、オオツ、クサカベですね。
有賀:
そう。あそこはねぇ、ストーリーに深くかかわるとかじゃないけど、すごく大事な要素。
で、やっぱりあそこの3人のところは演出してて楽しい。
だんだん出てきましたよ、彼女たちのエネルギーが。
奈良さんと、青柳さんと伊東さん。
加古:
まず奈良さんは、初回は「さよならをあげる」だったと思うんですよね。
どうやって知り合ったかはちょっと僕も定かじゃない。
ただ、知り合いからご紹介いただいたんじゃないかなぁ、と。
有賀:
おぉ、ぼんやり(笑)。
加古:
まあ僕らはその公演を後ろで手伝っていただけなんですけど。
意外と彼女はやりたがりなんじゃないかなと。
本当は思っていることとかいっぱいあるんじゃないかなって。でもそれがうまく表現できない。
僕が彼女をここに呼んだ理由として、一番は目なんです。
なんともいえないんですけど、目がまっすぐなんです。
「私ここできてない」とか。「私やります」っていう内側での頷きって言うのが見えていいなって。
有賀:
それは感じますね。
加古:
次は青柳。
彼女は飯川君と同じで、ただ、僕よりも彼女が僕のことを知ってる率のほうが圧倒的に高かった。
縁あってお茶したときにいろんな話をして、そのときの印象がよかったんです。
今回彼女に声をかけたとき、演出助手みたいなポジションをやりたいっていうかなって思ってたんです。
でも、彼女が役者をやりたいって言ったんです。
有賀:
おぉ。彼女が自分から。
加古:
僕の記憶が定かなら(笑)。
有賀:
また曖昧なの?(笑)
加古:
要はエネルギーを受け取ったんです。
それの出力先が役者だったんですよ。
有賀:
確かに彼女のエネルギーには底力を感じますよね。
今も稽古場の端っこで黙々と台本読んでますけど(笑)。
加古:
(笑)
最後が伊東さん。
彼女も「さよならをあげる」で初めてご一緒して。
彼女は劇団アルターエゴという団体に所属していて、ご活躍されているんです。
たくさんの話をしているというわけではないんですが、「出ますか?」って話を振りたくなるんです。
有賀:
それもまた、不思議なオーラを持っているんですかね。
加古:
奈良さんと同じように表立ってそれが出てくるような子じゃないんですけど、エネルギー自体は内在している――ぐるぐる回しているような感じが伝わってくるんですよ。
気になるあの子(笑)。
「出る?」って。
有賀:
つい声かけちゃうんですね。(笑)
加古:
本人も今回の役柄はやったことないような役って言ってたと思うんですけど、それでも必死に喰らいついてくる感じがあるじゃないですか。
自分の恥も何もかもかなぐり捨ててついてくるような。
有賀:
ありますよね。
いいですよね!その感じ。
加古:
そういうのがあったから、声掛けてよかったなって。
有賀:
僕も彼女に対して一つだけあるんですよ。
キャスト決定の直前くらいに、だいたい配役は決まっていたんですよ。
彼女に聞いたらわかると思うんですけど、顔合わせとか、キャスト決定の読みあわせとか、
彼女はクサカベしか読んでないんですよ(笑)。
僕の中で、彼女だけは最初から決まっていたんです。なぜか。
加古:
なにかあるんですかね。
有賀:
なにかあるんですよ。
結果、彼女にクサカベをやってもらえてよかったなと。
加古:
そんな女子高生3人ですね。
有賀:
いいトリオになってきているんではないですかね。
そんな3人と同じような雰囲気で、この女子も大事だなって言うのがアリマ。お天気お姉さん。
加古:
ひなたは……実は彼女との初めましてはつい最近なんです。
有賀:
え?そうなんですか?
加古:
でもネット上とかだとめちゃめちゃ仲良しさんです。なぜか(笑)。
彼女は今年の3月にBorderlineさんが……Borderlineさん縁深いですね。
Borderlineさんが「RULE」という作品を上演したんですがそのときにご出演されてたんです。
でも僕はその前から彼女の存在は知っていたんです。「ひなた」っていう女がいるって。
で、その「RULE」で僕が舞台監督として入っていて、彼女といろんな話をして、
熱い女かもしれないなと。
それで声を掛けて、「やりたいっていうならやれるけどやりたい?」って聞いたら
「やりたいです」って。
「じゃあやりましょう」ってなったんです。
有賀:
みんな前に前に、というか。「やりたい」って人が多いんですね。
あの子、今日傘にテルテル坊主つけてきて、「やりおる、この女!!」って思いましたね。
加古:
割と勘がいいほうなんだと思います。
本質的に賢くて勘がいいような感じを受けています。
有賀:
あれは僕も思いつかなかったですね。
「やられたな!」と思いましたもん。
いい女優さんですよね。
加古:
あとー・・・二人?
有賀:
そうですね。
紗弓とつったん。
紗弓は今回僕が唯一声を掛けてつれてきた役者ですね。
紗弓とはもうー・・・5年くらいの付き合いですかね?
4年前に僕の所属している「TEAM空想笑年」という団体のプレ公演で「アルジャーノンに花束を」という作品で、出演してくれてたんです。
そのときが初めてちゃんと一緒に仕事したのかな?
その時から、あの子の芝居を気に入ってしまって。
特にずっと一緒に仕事しているというわけではないんですけど、僕がえーてぃーふぃーるどを初めてやりますって時も
一番最初に声を掛けたし、前回彼女は出れなかったけど、やっぱり声をかけてます。
なんかね、ついつい一緒に仕事をしたくなる女優なんですよね。
いてくれると安心感もあるし。
仕事もできるので。彼女自分で言ってますからね。小劇場No1.演出助手って。本当かよ!って(笑)
加古:
いい肩書きですね(笑)。
有賀:
その辺で今回サポートもしてくれたらいいなと。
こんな言い方はアレなんですけど、僕、キャストのみんなを知らなかったから。
僕も人見知りなんで、一人くらい知り合いがいないと僕の心が折れちゃうって(笑)。
で、たまたま加古さんと一緒にいるときに電話したんだよね。
馬場で飲んでるとき。そしたらあいつも馬場にいるって。
「ちょっと来いよ!」ってなって、飲み屋に呼び出して、「出て☆」って。
あのテンポの良さ(笑)。
加古:
わずか1時間くらいでしたよね。
有賀:
そうそう。
そのテンポのよさも好き。
加古:
まぁ、内容だったり必要事項だったりっていうのはもちろん確認しましたけど、
早かったですよね(笑)。
他のキャストもそうですけど、要は飛び込む勇気があるっていうのが極めて大事だと思っているんです。
そういう意味では、紗弓さんが「やります」って言ったときに、「あ、いいな」って思いました。
有賀:
あれすごかったよね。
加古:
「答え明日でもい・・・」「やります」って感じでしたもんね(笑)
有賀:
最後はー・・・
加古:
津崎さんですね。春山はるか役。
彼女との関係は説明するのが難しいんですが……
これから彼女は「津崎真希」でやりますっていう話がありまして。
「こういう話があるけどやりますか?」ってきいたら「やります!」って。
有賀:
グイグイくるね。
あの子、グイグイくるよね!
僕にもグイグイくる(笑)。
びっくりしましたもん。
キャスト決定の読み合わせのときに、みんなに「やりたい役ありますか?」って聞いたじゃないですか。
「どうしてもこの役やりたい、この役じゃなきゃ出ない!みたいな人いる?」って。
そしたら彼女、まっさきに手を挙げましたからね!
「この役じゃなかったら出ない?」って聞いたら、「出ません!」って言いましたからね!あの女子!(笑)
加古:
だから僕はあの時、有賀さんが違う役にあてるだろうから新しい女優探さなきゃなって(笑)。
顔面蒼白になっていたんですよ。
有賀:
そうなんだ(爆笑)
加古:
まあ冗談ですけどね。
有賀:
とにかくかわいい。
ナデナデしたいよね。
加古:
そんな個人的な趣味趣向はいいんじゃないですか?
こんな記録に残る場で言わなくても(笑)。
有賀:
いや、お客さんに伝えたい。
加古:
それは大事かもしれませんね(笑)。
で、全員かな?
そしたら最後に有賀さんから「銀河旋律」の押しを。
有賀:
そうですね・・・・
今回はとにかく若いということ。若くてパワーのある役者さんたちが
血反吐吐いて汗かいてやるような。
空間での熱量を、舞台から客席にほとばしるようなものを感じてもらいたいですね。
いろんな青春を思い返してもらえればな。って。
加古:
ありがとうございます。
長々と。
編集さんの怖い目を感じつつ、この辺で終わりにしようかなと。
有賀:
そうですね(笑)。
――――